まったりサイクリングの楽しみ方(ポタリングの薦め)

 サイクリングの楽しみ方として、まったり自分のペースで走る、そんな楽しみ方について紹介してみたいと思います。

 趣味でサイクリングというと、装備を整え、体を鍛えてスピードや持久力に挑む、そんなイメージもあるのではないでしょうか。そこまでいかなくとも運動不足解消のスポーツとしてやっている方が多いように思えます。自転車をやってみたいけれど、そんなに頑張れない、また最初は気軽に始めてみたい、そんな方にはまったりサイクリングをお勧めしたいと思います。

 まったりサイクリング、最近は”ポタリング”という言葉が使われて徐々に認識が広がってきています。”ブラブラする”という意味の英単語”Putter”から派生してできた単語のポタリング、文字通りブラブラするサイクリング、自転車に乗ったに散歩というニュアンスです。そのポタリングをするために何が必要か、実は特別なものは必要ありません。散歩するのに特別なものは必要ないですよね?それと同じく、自転車さえあれば、後は思い思い自分のペースで走ってみればよいのです。

 といっても急にどうしたらよいか分からないですよね?以下に楽しみ方の例を3つご紹介します。もちろんこれ以外にもいろいろな方法はあると思います。この例を参考に皆さんそれぞれのまったりサイクリングを見つけていただければ!

目次

1.街の中で楽しみ方

 街の中を思いのままに走って回る、それが街中でのポタリング。普通の散歩と変わらないですよね?
でもそこにポタリングならではの楽しみもあります。

移動が素早くなる

 自転車に乗っているわけですから、当然移動の時間が早くなります。歩いていくと20分以上かかるところ行くのは多少おっくうになるかもしれませんが、自転車だとそんなことはありません。今までより気楽に早く色々な場所へ行く気にさせてくれます。移動にかかる時間の無駄への意識も少なくなります。

遠くへ行ける

 移動の速さという事は行動範囲の広さに繋がります。今まで行けなかった遠くまで足を運ぶことができます。今までの生活範囲では気づかなかったものに触れる機会をくれます。

視点が違う事による新たな発見

 そんな体感の違いから、きっと今までと違った視点で街を感じることができるのではないでしょうか?例えば今まで電車で通過していたところをサイクリングで通って新たな地域を開拓したり、今まで直進していた道で寄り道をして新たな店を発見したり。そんな活動を通じて街の今まで知らなかった姿を発見できるのが、街の中でのまったりサイクリングの魅力です。

 以下は、二子玉川近辺で自転車で散策していた時に偶然知った喫茶店。

いい雰囲気のお店でした。ケニア産の豆のアイスコーヒーが思った以上に酸味が強くフルーティーで、汗をかいていた状況にはピッタリ!また是非訪れたいですね。

 偶然にこんな出会いに恵まれる事もあるので、是非自転車でいろいろな所を回ってみてくださいね!

2.自然の中での楽しみ方

 街の中ではいろいろな発見ができましたが、自然の中でのまったりサイクリングでは都会での生活を離れ、非日常を感じることができます。

爽やかさの体験

サイクリングでの魅力は何といってもスピードを出した時に受ける風の感覚。必死にならなくてもとても気持ちの良い体験ができます。近くに川などが流れていれば更なる爽やかさを感じることができ、目的など持たなくとも心地よい時間を過ごすことができます。

多摩川周辺でのレンタサイクル”RIDEAWAY”

 自然の中、といってどこに行って良いか分からない方も多いかと思います。広い公園があるところの多くはサイクリングでの利用もでき、サイクリング用ロードが用意されている所もあります。もし多摩川付近に在住の方はこちらのレンタサイクルがおすすめ。

https://www.rideaway.bike/

多摩川のサイクリングロードを走ることができますし(街に出ていくことも可能)、更には自転車のレンタルもあるので、自分の自転車がない方、あるいは遠方から来て自転車を持ってくるのが大変な方でもご利用できます。

 以下は実際に二子玉川近辺に行った時の写真。思いのほか自然の光景がたくさんあり、さわやかな空気の中憩いの時となりました。

3.音楽を聞きながらの楽しみ方

 自分なりの楽しみ方ができるまったりサイクリング、音楽を聞きながら走ることによってさらに皆さん一人一人のための特別な時間が過ごせます。自転車で走るペースに合わせ、自分の好きなセットリストで上げて走ることで、更に楽しい体験が待っています。ただし一つ注意しないといけないことがあります。

道路交通規則による自転車でのイヤホン使用の禁止

 現在多くの都道府県において、道路交通規則により自転車でのイヤホン使用の禁止されています。例えば令和4年現在の東京では、令和4年5月13日施行の東京都道路交通規則8条(運転手の遵守事項)に以下のような条文があります。

(5) 高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。

https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002199.html#e000001060

外界の音が聞こえないような状態でのサイクリングが問題となるということですね。それではどうするかというと、おすすめなのは骨伝導イヤホンを導入する事です。骨伝導イヤホンは頭に装着するだけで骨伝導により音が聞けるので、耳をふさぐことはありません。骨伝導から音楽を聞きつつ、外部の音をしっかり聞いて安全を確認できるので、サイクリングしながら音楽を楽しむのに最適です。

 骨伝導イヤホン、今ではいろいろなものが出ていますが、私はShokzのものを使用しています。

おすすめ骨伝導イヤホン:Shokz
おすすめ骨伝導イヤホン:Shokz

装着感がしっかりしていますし、音質もとても良い印象です。皆様のご参考までに。

クラシック音楽の薦め

 音楽を聞きながらサイクリングできることが確認できたので、何を聞きたいか楽しんで選ぶことができます。お気に入りのアーティストのあの曲、今はやりのこの曲・・・などいっぱいあるかと思いますが、あえてここではクラシック音楽をお勧めしてみたいと思います。クラシックをお勧めする理由は以下の通り。

非日常を演出できる

 普段クラシックを聞かない方こそ、サイクリングで普段行かないところを走っている非日常感を更に深めるため、聞いてみてはいかがでしょうか。ポップスを聞くときに比べ、クラシックを聞くことはそれだけで特別なことだと思いますし、せっかくなので一度ぐらいはいつもと違った経験をしてみても良いのではないでしょうか?コンサートに行って音楽だけを聴くのではありません。ながら聞きで雰囲気を演出してくれるものです。きっとラグジュアリーな音の世界が待っています。

歌詞がない

 クラシックは歌詞がないから分からないと言われることもありますが、歌詞にとらわれることなく、様々な環境にマッチさせられるとも言えます。サイクリングで走っている中、歌詞に対してそこまで集中しなくても良いのであれば、クラシック音楽のような音だけでできた世界観の曲に耳を傾けてみるというのも一つだと思います。音だけで歌詞に勝るような説得力のある音楽と走行中の気持ちを同期させてみても良いかもしれません。

曲が長い

 ポップスだとおよそ4-5分ぐらいの曲が多いですが、クラシックだとそれは短い時間の部類に入り、3-40分、長ければ1時間以上の曲もあります。サイクリングの走行時間も何十分から1時間以上となるのではないでしょうか?その間の時間が細切れになるポップスより、サイクリングの時間を大きく使って、音楽の作っているドラマ性を感じることができるクラシックの方が、よりサイクリングの時間をより魅力あるものにできるかもしれません。クラシックのクライマックスの高揚感はサイクリングを走っている満足感を高めてくれると思います。

情緒豊かで雰囲気も様々

 一口にクラシックといっても、時代も200年以上あり、各国地域の音楽の集合体なので様々な曲調のものがあり、いろいろな曲の中から皆さんの嗜好に合わせて選曲することも実はそんなに難しくありません。サイクリングに合わせて選ぶにもいろいろな可能性があり、あまり聞かないという人でも自分に合うものをきっと見つけることがでしょう。選択肢の自由度を広げるためにも、サイクリングBGMとしてのクラシックを是非探してみてください。以下に私が独断と偏見で選んだ曲を例示しておきます。

べートーヴェン/交響曲第6番”田園”(ドイツ/45分)

 ベートーヴェンがドイツの田舎を訪れた時の心象を表したとされる曲。最初は田園にたどり着いた時のワクワクした気持ち。サイクリングのスタートに。

ラヴェル/クープランの墓(フランス/25分)

 ラヴェルの美しく洗練されたピアノ曲。軽快な速度で風を受けながら爽やかに。

コレルリ/合奏協奏曲第4番(イタリア/10分)

 王宮のイメージで爽やかに、遊び心も持ちながちょっと格調高く。

ボロディン/だったん人の踊り(ロシア/15分)

 有名な美しいメロディーは娘たちの踊りで、原曲では激しく躍動感のあるその後男たち、少年たちや全体の踊りが続く。優しい娘たちの踊りと活気のある少年たちの踊りが組み合わさる部分の多幸感で爽やかに走り抜けたい。

ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第12番”アメリカ”(チェコ/30分)

 ドヴォルザークがアメリカへ行き、そこで聞いた音楽の印象から作曲した素朴さのある弦楽四重奏。ドヴォルザークはまた鉄道オタクとしてもしられ、タイヤを回すような推進力は自転車を漕ぐことにも通じるように思う。

エルガー/威風堂々第1番(イギリス/5分)

 イギリス紳士のように気品を持ち、タイトルのように堂々とした気分を演出。有名な第2主題での高揚感が気持ち良い。

シベリウス/ポホヨラの娘(フィンランド/15分)

 フィンランドの民話に基づいた曲。最初はちょっと息苦しいが徐々に流れていき、頂点では爽快感が開けてくる。

吉松隆/交響曲第4番(日本/30分)

 吉松隆は現在存命中の東京都渋谷区生まれの作曲家。吉松の音楽の特徴は明朗さであり、高度経済成長前後の東京の姿がよく表れているように思う。東京で遊ぶ子供をイメージしたようなこの曲もそうで爽やかな風吹くような軽やかさがあり、東京の雑多で明るい側面にピッタリ。

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